Lime's Kopprasch

コプラッシュ60の練習曲の練習法

このページでは、私なりにコプラッシュ60の練習曲の練習方法を書いていきます。ホルンはコプラッシュに始まり、コプラッシュに終わるといっても過言ではありません。この曲をいろいろな角度から見て、練習することは非常に意義のあることであり、自分のやり方を書くことにより、改めて見直す機会にもなると思い、書き始めることにしました。これはあくまで私自身の考えであり、いろいろなやり方があることを読者の方々はあらかじめご了承下さい。

kop1この楽譜は私にとっては、2冊目のJames Chambers氏による版である。1番、2番ともF管の指使いだけで練習すると、かなり大変だが、それなりの効果がある。

F管はB♭管より長いので、息のコントロールも難しいし、ダイナミックの幅を広げるのは大変である。しかし、急がばまわれで、息の使い方、ダイナミックレンジを広げるには、この2曲をF管で練習して、B♭管で吹くと楽にできることがわかるはず。

2曲ともメトロノームをかけて練習する。だいたい4分音符=72くらいでやる。

ダイナミックスは、ピアノ、メゾフォルテ、フォルテしかないので、ピアノは自分が出せる一番小さい音から始め、フォルテは一番大きい音にしよう。その間にある、クレッシェンド、ディミヌエンドのかけ方は、チューナーのダイヤルをひとつづつ上げたり、下げたりするように、均等にかけなくてはいけない。頭と耳と体を使ってやる。

スタミナ配分もこの曲で練習できる。両曲とも、3小節目に息継ぎがあるが、ここで目一杯吸って、4小節目をフォルテで吹ききるのは、意外に難しい。1番の3段目4小節、2番の三段目の最後の小節から3小節をフォルテで吹き通してみよう。そしてフォルテで何小節も吹く配分を体で覚えよう。

kop2マーラーやR.シュトラウスの交響曲にはこういう場面が多々あるが、この2曲をF管でさらっておくと役に立つ。

タンギングをつけないで練習するのもいい。特に五線の下の音は口先だけでは絶対フォルテは吹けない。タンギングというのは曲者で、あれば息がなくても音になる。しかし、タンギングなしだと、本当に息が必要である。

移調もやってみよう。簡単な曲でコツをつかんでしまえば、自信につながる。1番は全音下げるので、実音ヘ長調が、変ホ長調になる。普段から、いろいろな調の音階、分散和音をさらっておけばそんなに苦ではない。2番は半音下げるので、実音ヘ長調がホ長調になる。一度に全部やろうとすると、めげてしまうので、最初の4小節だけでもできるようにしよう。そうすれば次の2小節、その次の2小節とできるはず。

何でもそうだが、一度に最初から、最後までやろうとすると、途中で挫折してしまう。まず最初の1歩ができるようにする。それがこのコプラッシュ全曲にわたっていえる。

kop3初めてコプラッシュをやる人は3番から始めるのが良いかもしれない。

常にスタッカートでと表示があるが、最初はノンレガートでさらってもよし、タンギングもなしでさらってもよし、全部スラーでさらってもよし、何でもやってみると、息の使い方が良くわかる。最初の八分音符があるところまで一息で吹けるのを目標にしたら、、そのあと、繰り返しのところまでまた一息でふけるようにしてみよう。つまり3番は休符以外は息継ぎなしで吹けるようにするのも一つの目標。

でもだからといって、ダイナミックをおろそかにしては意味がない。1,2番同様、ピアノはできる限り小さく、フォルテはできる限り大きく吹くように心がけると、この一息では結構大変である。もっと言えば、4段目のフォルテを4小節間持たせてからディミヌエンドして、最後の3小節の休符まで持ってくるのは結構大変。こういう練習はやっておけばためになるので、逃げないでやろう。

その昔クレヴェンジャーのレッスンにこの曲を持っていったとき、すぐさま3種類のアーティキュレーション、とinE♭の移調をやらされた後に、今度はこの曲を八分の六拍子だと思って吹いてみなさい、といわれた。つまりこの曲を3拍子の曲として吹くことと、八分の六拍子=2拍子の曲として吹き分けるということもできる。そういう練習もしておくと便利だよということだと思う。

kop44番はアーティキュレーションのバリエーションを必ずやろう。これをやるとこの曲は吹きやすくなる。

ダイナミックス=特にクレッシェンド、ディミヌエンドを均等につける練習にうってつけである。この感触をつかむには、やはりタンギングをしないでやると、息の使い方が良くわかる。

あと2段目の上の実音れから、下のシに落ちるところ。これ、結構嫌なところ。なんといっても下のシはならない。鳴らない音をフォルテで吹けというのだから、この練習曲は良くできていると思う。この音を鳴らすには、この音だけのロングトーン(クレシェンド・ディミヌエンドをつけて)をやらないとなるようにはならない。

4番も3番と同じように、休符以外は息継ぎなしでダイナミクスも幅広くつけてふけるようにしよう。

最後の小節で、テンポが落ちないように気をつけよう。どうしてもピアノで低い音域だと、遅くなってしまう。おっと危うくかきわすれるところだった!メトロノームは必ずつけてさらうこと。(2006年10月12日)

kop5この楽譜は最近全音音楽出版社から発売された、Koppraschである。この楽譜の大きな特徴は各練習曲にメトロノームの表示があること。欲をいえば、この楽譜に書いてある、速度記号や表情記号の読み方、意味を日本語でつけたら、学習者に役立つと思うのだが、、、それくらい自分でやれ!ともいえるか。

さて5番は鬼門である。この練習曲を1番から順番にやるのは無理があるよ!といわんばかりに音階と移調、スラーとスタッカートができると、今度はリップスラーである。でもこれあとで考えると、早いうちに取り掛かったほうがよい。

まずリップスラーは口先だけではできないから。息を使って吹いていないとできない。それからこれを移調の練習に使うと良い。書かれているinFでやるより、inDあたりでやるほうが、管はながいけれど、音域が下がるので3段目が楽にできる。そうDから始めて、E♭、Eと上がっていくのは一つの方法。

もう一つ、これはD.クレヴェンジャーに教えてもらったリップスラーの練習方法。いきなりこれを始めるのは大変なので、まずFオープンで図に出ている、最初の音を出す。その次にオープンなので、全音下のE♭(実音)が出るはず。その二つの音でゆっくり練習して、まずこの2つの音のリップスラーができるようにするというやりかた。

クレヴェンジャーはリップスラーをはじめは4分音符60くらいでゆっくりやり、だんだん早くしていくと弟子たちにおしえていたけれども、「ホルンがもっとうまくなる」の著書で有名なフロイディス・リー・ヴェクレ女史は、その著書28ページにいきなり早くやる方法を紹介している。

どちらにしても、リップスラーが生まれつきうまくできない人は、忍耐強く練習するしか、できるようにならない。しかしいったん身につけてしまえば、鬼に金棒。kop5

5番は、いままで音階系の練習曲ばかりだったので、分散和音の練習。Fオープンで練習すると最初の4小節は、とてもよい練習になる。もちろんinE、inE♭、inDオープンでやれば指使いに気をとられない分、リップスラーの練習になる。

この曲で気をつけることは、スラーのついた後の音が短くならないようにすること。そのために逆にいろいろなアーティキュレーションを変えて練習することを薦める。まず楽器を置いて、歌ってみるとよくわかるかな。そうすると、今度は、スラーのついた最初の音のタンギングの方法、吸ったカートとスラーの違いなどが、よくわかる。13、14小節めは、ちょっと指使いがややこしいので、さらうしかない=体で覚える。

うたうということは、息の使い方もわかる。ホルンの練習は、ホルンがなくても、歌うとか、指だけでも練習になる。逆にいうと、体のあちこちの動きを統合することによって、始めてホルンの演奏が成り立つわけだから、各パーツごとに磨きをかけて、それをあわせるというのも一つの方法である。

もう一つ、このあたりまでふけるようになったら、ダイナミックスについてもう一回おさらいしておこう。よくやる勘違い?クレシェンドが始まるところは、ピアノって覚えておいてもよい。クレシェンドはだんだんボリュームをアップするわけだから、そのはじめは小さい音から始めないと「だんだん」の効果が出ない。ただしどの音量から始めるかは、時と場合にもよるので、絶対ではないが、初心者やアマチュアの多くのみなさんは、クレシェンドの記号をみるなり、アクセルをガーっと踏み込んで、いきなりスピードを上げる車のごとく、いきなり大きくしてしまうので、「だんだん」がない。クレシェンドは、車のアクセルや、救急車のサイレンを思い浮かべてください。

おなじことは、ディミヌエンドでも言える。この記号を見たとたんに弱くしてしまう人が多いけれども、「だんだん」の効果をだすには、どこまでどれくらい「だんだん」をつづけるのか見てからやろう。急ブレーキかけたら、転んでみっともないのと同じ。

楽譜の3小節目にフォルテがある。そしてディミヌエンドはその小節のおわりから始まる。そう3小節目はフォルテのまま。4小節目にはいってからだんだん弱くしていってちょうどいいくらい。ちょうど息がなくなるころにいきつぎのマークがついている。(2006年10月27日)

kop77番はコプラッシュの練習曲の中でも、一番難しい。音の数はすくないので、一見簡単そうに見えるが、7番を楽譜どうり吹くのは、至難の業と言っても過言ではない。

何が難しいって2小節め、4小節めの全音符の伸ばし、これが意外と難しい。なんだロングトーンじゃんなんて行っているうちが花。この音符の下に<>があるけれど、これをちゃんとやるのは朝飯前なんていえない。音程は一定、クレシェンドディミヌエンドの仕方は、測定器ではかったら、均一になるように、大きくなり小さくしなければいけない。それだけならまだしも、1小節めはピアノからクレッシェンドして、2小節めは、ピアノから始めるという強弱の指定をマジメにやろうとしたら、それだけでも大変なことに気がつくはずだ。

でもこの手の強弱の変化というのは、オケの中に良く出てくるので、やっておけば、必ず役にたつものだ。最初から全部やろうとせずに、まずは最初の2小節だけでもできるようにしよう。3,4小節が一番難しく、最初の6小節までがなんとかできれば、後はそんなに大変ではない。またこの曲の前段階として、ロングトーンをするときは<>を付けてやると良い。そのやり方は、Joseph Singer著「Embouchure Building for French Horn」の32ページにかかれているが、数えながら、またはメトロノームと一緒にさらうと効果がある。2006年10月30日)

kop8コプラッシュの8番は意外と初心者におすすめかもしれない。見た目の譜面づらはそんなに難しくないし、コプラッシュをはじめてやる、または練習曲をやりたいけれど、まずなにをやろうという人におすすめかもしれない。ただ、「かもしれない」と書いたのはそれなりに理由がある。この曲をやるなら、まずスラーをつけないで、すべてタンギングしてやることから薦める。いきなりかいてあるアーティキュレーションでやろうとすると、すぐ頓挫しれしまうからだ。まず指使いを覚えるために、全部タンギングしてふけるようにしよう。その次に今度は、すべての音をタンギングなし、つまりスラーで吹いて、息の使い方を覚えよう。同じ音がつながるところは、タイでつなげよう。そして、休符のないところは、息継ぎをしないでできるくらい、指と息の使い方を、体で覚えてしまおう。それから書いてある通りに強弱もつけてみよう。繰り返しのあと、7小節目から8小節間は、息継ぎなしでできるようにしよう。これができるようになると、おおきな自信につながる。そんなことができるようになって、はじめて楽譜に書いてあるアーティキュレーションをつけてみると、この曲の難しさは半減する。

この曲の難しいところは、指とタンギングのタイミングがうまくとれないと、16分音符が規則正しく並ばない。指、舌、息の流れがうまくかみ合ってこの曲はきれいに吹ける。だから、最初は、各部分を磨いて、最後に組み合わせるという練習をしないと、凡人には、この曲の持つ意味とやる価値が見出せない。

また、楽譜の上にある、アーティキュレーションのバリエーション、移調も是非やってみよう。普通のひとには、意外と苦手?な加線より下の音域をよくなるようにするために移調してさらうことは、とても意義がある。特にこの音域は音をだすのではなく、音を鳴らすということに注意して、自分の体と耳と頭でおぼえよう。(2006年11月25日)

この練習曲は8番とは違った意味での難しさがある。スタッカートとスラーのついた音符をうまく弾きわけることは、意外とむずかしい。特にアレキサンダーを吹き始めてから、ヤマハやコーンではあまり感じなかったむずかしさを発見した。指と舌と空気の関係この三つがうまく連動しないと、このようなアーティキュレーションは、自分で思っているのと、実際になっている音が違ってしまう。

元ミネソタオーケストラ首席ホルンのケンデル・ベッツ氏によれば、この練習欲はラベル編曲の展覧会の絵に出てくるホルンのソロに大変役立つと言っていた。スタッカートとスラーの混じった音型は、他の曲でもよくあるが、にわとりが、コッココッコとないている雰囲気を出すためには、この練習曲は欠かせないそうだ。

8番でもそうだが、歌ってみるとよくわかる。手を口の前に持ってきて空気がでているか、チェックしてみよう。スタッカートを吹くとき、口をヨコに引いてやってみると空気が手に当たらない。真下に持ってくると、あたるけれども量が少ない。ホルンのマウスピースから左手の小指辺りに空気を飛ばすには、ティッと発音するよりもトゥッと発音したほうがよいことがわかる。

ピアノでもそうだが、歌えないと弾けない。歌えると弾ける。どうしてなのか理屈はよくわからないけれども、ホルンもしかり。歌えるとふける。歌えないとふけない。空気がはいっていないと音はでるけれども、鳴らない。歌うときに意識して空気を左の小指あたりにとどかすようにすると、自然と楽器も鳴ってくる。

Tempo giustoとは、無理のないはやさで、遅くなったり、はやくなったりしないで、といういみである。当然メトロノームでさらうべし。メトロノームでさらうときの一つのやり方として、まず自分の目標を決める。たとえば4分音符112としよう。そうしたら、倍のテンポ8分音符112から始める。できるからいいのではなく、ゆっくりしたテンポのときにこそ、自分の耳でアーティキュレーション、音程などがキチンとできているかチェックできるからだ。自分の目一杯のスピードだと指を回すことしか頭に入らなくなるからだ。またゆっくりしたテンポでさらうときのほうが、息はいるし、ダイナミックスをつけるのが大変。だからこそひつようだと思っている。(2007年1月2日)

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